ブログ
ブログ
矯正治療で行う抜歯について
こんにちは!かな矯正歯科です。
今日は、大人の矯正治療で行う抜歯についてよく聞かれるものにお答えしようと思います。
少し内容複雑ですが、お時間あれば試しにお付き合いください。
1.どの歯を抜くの?
2.抜いた後の隙間は本当になくなるの?
3.どのくらいで抜いた後の隙間はなくなるの?
4.そもそも何で歯を抜くの?
アンサー
Q1.どの歯を抜くの?
A1.一般的に抜歯を併用した矯正治療の第一選択肢は、前から4番目、もしくは5番目の歯(犬歯の1つ後ろ、もしくは2つ後ろの歯)です。
基本的には治療方針基づき決定しますが、患者さんの口腔内の状態なども考慮し、抜歯部位を選択します。
生まれつき歯の本数が少ない場合や、すでに欠損している歯がある場合などは、上記以外の歯を選択することもあります。
そして矯正治療で行う抜歯は、健康な歯(というより病名がない歯)のため、保険適応外となります。こちらを頭の片隅に入れておいて頂ければ幸いです。
Q2.抜いた後の隙間は本当になくなるの?
A2.閉じます。抜歯後のポッカリと空いた穴を見てよく聞かれるのですが、基本的にはきちんと閉鎖します。
矯正治療における抜歯は、「歯を抜く」というよりも「隙間をつくる」という表現の方が合っているかもしれません。
「抜歯でつくった隙間を、いかに無駄なく効率良く使い切るか。」は抜歯治療の治療方針の1つです。
例外として、個々の歯の幅のバランスが、上下で合わない方がいらっしゃいます。そのような方は例えば下顎の歯の隙間が閉鎖しても上顎の歯の隙間が閉じきらないことがあります。こちらについての対処等については、治療方針の説明時に患者さんにお伝えしています。
Q3.どのくらいで抜いた後の隙間はなくなるの?
A3.矯正治療では、「1ミリ1か月」と表現されています。
これはまさに「抜歯スペースの閉鎖は1か月に1ミリずつを目安に。」ということです。
ですが、患者様の感覚としては「なかなか閉じないな・・・」というのが正直なところ。
先程お話した、前から4番目、5番目の歯の横幅はおよそ7-8ミリほどあるので、単純にいくと半年強で閉鎖完了となりますが、実際には1年~1.5年ほどかかることもあります。
わき目も振らずにとにかく閉鎖するのであれば半年ほどで閉じるかもしれませんが、実際は上と下のかみ合わせや、スペース閉鎖の際の前歯と奥歯の力関係など、色々なバランスを見ながら閉鎖していくので、どうしても時間がかかってしまうのです。
Q4.そもそも何で歯を抜くの?
A4. 「歯を動かすための隙間」を作るためです。
抜歯を行う代表的な理由としては
1.ガタガタをほどくため
2.歯を引っ込めるため
の2つが挙げられます。(他にもありますが、この2つの対比がまだ比較的分かりやすいので。)
1.のガタガタをほどく場合、ガタガタをほどいた後に残ったスペースを閉鎖することになるので、上記ほどの時間はかかりません。スペース閉鎖の時間は、ガタガタのレベルに左右されます。
2.の歯を引っ込める場合は、例とするなら「歯並びはいいけど出っ歯」の場合です。
この場合、抜歯スペースをそのまま前歯を引っ込めることに使うので、A3.に記載したとおり、スペースの閉鎖に時間がかかります。
まとめ
今回は矯正治療で行う抜歯に焦点をあててお話させて頂きました。
内容が少し専門的ですので分かりにくい内容になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
時間については、あくまでも抜歯スペースの閉鎖のみで比較した場合であり、トータルの治療期間とは別になりますのでご了承ください。
抜歯することに抵抗がある方もいらっしゃると思いますが、どちらかというと「歯を抜く」というよりは「スペースをつくるための手段の1つ」ととらえていただけたらと思います。
ご一読いただきありがとうございます。